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関節痛の病気に関する3つの誤解

多くの人が誤解している関節痛の真相をクローズアップ。自己流の間違った対処で症状を悪化させないように、正しい知識を紹介します

誰もがなり得る関節痛、安易な誤解は危険!

「関節痛はお年寄りがなる病気でしょ?」「痛みがなくなったから治ったのでは?」「放っておいても自然に治るから大丈夫」。関節痛に対して、このような間違った思いこみを持っている人は、案外多いのではないでしょうか。

関節痛は、膝関節の軟骨がすり減る病気。初めは軽い関節痛だったのに、甘く見てしまったがために手術が必要になるまで変形してしまったという例もあるそうです。関節痛に安易な誤解は禁物なのです。 なので、ここで正しい知識を知りましょう!

【誤解1】お年寄りがなる病気である

階段や段差のある所では、足が上がらず辛そうにしているお年寄りをよく見かけますよね。

「将来、同じように膝が痛くなったら嫌だわ…」と、まるで関節痛はお年寄りがなるものだと思い込んでいる人がほとんどだと思いますが、関節痛は若い世代の人にも増えていると言います。

一説では、中高年の5人に1人が膝に痛みを抱えているというデータもあるそう。 関節痛は、老化によって起きるわけではなく、生活の中で膝に負担をかけることの繰り返しによって起こってしまいます。

中高年が抱える「変形性膝関節痛とは?」

若い世代の人がなる関節痛の多くは「変形性膝関節痛」と呼ばれるもの。 骨と骨が重なり合った所には、動く時に衝撃を吸収するクッションの役割を果たす「関節軟骨」という骨がありますが、この軟骨がすり減ることで関節に炎症が起こり、痛みが生じる病気です。

軟骨そのものに神経はないので痛みを感じません。その軟骨が支えている骨に痛みが生じている状態です。 変形性膝関節痛は、50歳以上の中高年に多く、特に女性がなりやすいと言われています。慢性関節リウマチとともに気を付けたい膝トラブルです。

骨への衝撃が受け止めきれずに痛みが生じている状態なので、膝に負担のかかる仕事やスポーツをしている人、肥満で体重が支えきれない人などがなりやすいとも言われています。

また、普段、固いアスファルトの上を歩くことも膝には良くありません。アスファルトの上を移動する時に膝にかかる衝撃は体重の3倍、ランニング時には5倍もの衝撃がかかると言われています。

ヒールを履いている場合は、さらに膝への負担が高くなります。 健康や美容のためにウォーキングやランニングを行うのはとても良いことですが、アスファルトの上を走る時は30分ごとに休憩を挟み、膝のストレッチを行うなどして膝の負担を和らげてあげましょう。

また、足に合わない靴を履き続けると土踏まずがなくなり、膝への負担も高くなってしまうので注意しましょう。

足が痛み出したらどうすれば良い?

急に痛み出した時は、関節の周りが炎症を起こしている可能性があります。膝を冷やして炎症を鎮めてあげましょう。

疲労などが原因で鈍い痛みが続く場合は、無理に動かすと症状が悪化するので、ひとまず安静にして痛みが引くのを待ちます。 痛みが長続きする場合は、整形外科等を受診するようにしてください。

また、立ちあがりや歩きはじめなどに膝の痛みや違和感を感じる人も、医師によるメディカルチェックを受けることをおすすめします。 関節痛は、放っておくと日常生活に支障をきたしかねません。おかしいなと思ったら、無理せず早めの受診を心掛けましょう。

【誤解2】痛みがおさまれば問題ない

膝の痛みは、自己判断で対処してしまう人が少なくありません。痛みがあっても病院に行かず自己流で対処してしまったり、痛みがなくなったからと言って通院をやめてしまったり、勝手な判断を続けているうちに悪化するケースは多いのだそう。

膝の痛みがおさまると、病気そのものが治ったように一優してしまいがちですが、安心するのは時期尚早なのです。

膝関節痛は進行性の病気

膝の痛みが恐い理由は、膝の痛みがおさまったからといっても、実際には膝の病気が治っているわけではないということです。

通常、中高年の人がなる膝関節痛は、一時的な痛みや違和感がある「変形性膝関節症」という関節痛で、膝の軟骨がすり減り、痛みや炎症、関節の変形を伴いながら徐々に進行する慢性的な病気です。

膝に負担をかける生活を続けているとさらに軟骨がすり減り、痛みが再発する可能性があります。 また、放っておくと水がたまって膝が腫れる、膝の動きが悪くなり階段の上り下りが辛くなる、立ったり座ったりの動作がしにくくなるなどのトラブルも生じてきます。

そうすると、だんだん動くこと自体が辛くなるため歩く機会も減ってしまい、骨を支える筋力も衰えてゆき、関節痛の症状がより進んでしまうという悪循環に陥ってしまうのです。

さらに、痛みや変形がひどくなると、人工膝関節を埋め込む手術が必要となる可能性もあります。「たかが関節の痛み」と決して甘く見てはいえない病気なのです。

膝の負担を減らすために心掛けたいポイント

膝関節痛の進行を防ぐためには、膝に負担のかかる行動を控える、肥満の人は減量する、膝の周囲を運動療法で鍛えるなどの対策が大切です。

早期に適切な対処を行えば炎症を食い止めることができるので、痛みがひどい場合は医療機関に相談しましょう。 痛みが取れても油断は禁物。

安易な判断で、以前と同じような生活習慣を続けてしまうと、痛みが再発する恐れがあります。しばらくは適切な対処を続けて、膝をいたわってあげましょう。

【誤解3】放っておけば自然に治る

関節痛を一時的な病気だと思っている人は意外と多く、「ちょっと違和感があるけど、そのうち治るだろう」と楽観視しているうちに、痛みがひどくなってしまうケースは多いようです。

スポーツで膝を使った、山登りをしたなど、痛みの原因がある程度わかっている場合や、軽い痛みの場合は2~3日様子を見ても構いませんが、痛みの原因がはっきりしない場合は、「変形性膝関節症」などの病気かもしれません。

膝の変形は、はじめはこわばりや痛みがあっても症状が長続きするわけではありません。また、湿布などを使えば痛みが軽くなるので「そのうち治る」と放っておく人も多いのですが、やがて以前にはなかった動かしにくさを感じたり、痛みが強くなったりといった自覚症状が出てくる可能性もあります。

変形性膝関節症は、長い年月をかけて徐々に膝の関節の軟骨がすり減る病気で、一度削られた軟骨は元の状態に戻すことは不可能と言われています。たとえ安静にしていても治ることはなく、軟骨が再生するわけではありません。

しかも、じっとしている期間が続くと、膝関節を支える大腿四頭筋などの筋肉がこわばり症状は悪化してしまうのです。

クリニックを受診する目安は?

関節痛は、初期のうちに進行をおさえるのが重要なポイントです。膝に不安を感じたら、一度整形外科を受診しましょう。早めに診察を受けて、自宅でできる運動療法や日常生活の注意点など、適切なアドバイスをもらうことが何よりも大切です。

目安としては、3日以上症状が改善しない場合や、一度引いた痛みが再発した場合、立ちあがりや歩きはじめに一時的な痛みを感じる場合などは、医師の診察を受けるようにしましょう。

膝の違和感が繰り返すようだったり、安静にしても改善しなかったりするようであれば、メディカルチェックを受けた方が良いでしょう。

関節痛でクリニックを受診する際のポイント

関節痛は、骨や関節、神経などの治療を専門に扱う整形外科を受診するのが一般的です。関節痛の治療は長期間治療を続ける場合が多いので、自宅や職場に近く通いやすい場所にあると安心です。

また、自分自身が信頼できる医師か、話をきちんときいてくれるか、高度な治療が必要となった場合に適切な医療機関を紹介してもらえるか、なども大切な判断材料です。

関節痛は日常生活の過ごし方も進行を防ぐ上での重要な鍵となりますから、日常を送る上での注意点など、具体的なアドバイスがもらうことも大切です。医師任せにせず、自分も体の状態を把握し、治す意志を持つようにしましょう。